お知らせ‎ > ‎

▶2013.04 国際研究集会(Colloque international 2013)

「真のグローバル人材育成を目指して ‐その理念と実践‐
【日 程】2013 年4月13 日(土)・14日(日)各日午前10時から
【場 所】京都大学 人間・環境学研究科地下講義室
【会 費】1000円(資料,フランス語同時通訳イヤホン代)
【懇親会】3500円(予定)/学生1500円 関西日仏会館(19:00〜)



開催趣旨】
 「グローバル」という名称は現在,さまざまな分野で使われており,「グローバル化」を目的とする数多くの政府関連事業が進行している。文部科学省にかぎっても,「グローバルCOEプログラム」,「国際化拠点整備事業(グローバル30)」,「グローバル人材育成推進事業」等を行っている。2012年以降,「グローバル人材」をテーマにした講演会やシンポジウムも各地で数多く開催されている。しかし,「グローバル人材」に期待されている能力に関しては,必ずしも明確になっていない。そこで,われわれは大学教育におけるグローバル人材育成に関して,三つの論点について言語教育の観点から議論する。

論点1:高度なコミュニケーション能力養成の実施方法

 文部科学省の「グローバル人材育成推進事業」の求める高度なコミュニケーション能力の養成については,ふたつの課題がある。この事業は外国語(英語)による授業と海外留学を半ば義務づけており,これらは外国語の運用能力の養成に有力な方法ではあるが,従来の外国語の授業にも改善の余地が残されている。また「グローバル人材育成」事業に採択された大学の構想は,候補者を選抜の上,グローバル人材育成をおこなうとしているが,選抜からもれた学生に対して,どのような目的で,どのような授業を実施するのか,この課題を無視することもできない。
 この研究集会では,伝統的な外国語の授業を改革して成果をあげているカナダの学者を迎えて,その取組を紹介し,高度なコミュニケーション能力の養成をどのように実現しうるかを討議する。

点2:グローバルイシュー解決への貢献と複言語教育
 「グローバル人材育成推進事業」に採択された42大学の構想調書を読むと,経済合理性の追求のためにのみグローバル人材を育成する大学はまれであり,大部分の大学はグローバルイシューの解決に貢献できる人材育成も射程に入れており,総じて大学人として良識ある構想になっている。
 しかし,問題は英語(あるいは中国語,韓国語を英語と同列に定める大学もある)とそれ以外の言語の位置づけである。外国語教育において,英語(中国語,韓国語)以外の言語をどのような目的で,どのように実施するか。この課題はグローバルイシュー解決だけではなく,異文化間能力の養成にも関わると考えられる。

論点3:異文化間能力養成
 グローバル社会においては,グローバルイシュー解決への貢献も求められていることから,異文化適応能力や異言語話者とのコミュニケーション・ギャップを克服できる人材を養成するだけでは不十分であり,さらに根本的に異なる異文化間能力が必要だと思われる。
 『ヨーロッパ言語共通参照枠』を刊行した欧州評議会は,現在,外国語教育だけではなく,国語や移民の出身言語など,学校の内外に存在する言語を統合的に捉え,異文化との対話に開かれた民主的市民の育成や,少数者を排除せず,包摂する社会の構築に向けた「複言語・異文化間教育」を掲げている。
 異文化という他者をどのように学習者が受け止め,その違いを承認し,寛容と尊重の内に他者性を生きることができるか,これを教育に統合し,他者性に開かれた若者を養成するための「複言語・異文化間教育」もグローバルイシュー解決に貢献すると考えられる。研究集会では,この複言語・異文化間教育の提唱者,およびこの分野の第一人者を迎えて問題提起を行う。



2013 年4月13 日(土)

10:30-11:00 開会挨拶
開催者 西山教行(京都大学)
京都大学大学院人間・環境学研究科長 冨田恭彦
アンスティチュ・フランセ関西館長 フィリップ・ジャンヴィエ=カミヤマ

「グローバル人材育成とコミュニケーション能力の養成」


11:00-11:15 問題提起 大木充(京都大学)
11:15-12:00 講演1是永 駿(立命館アジア太平洋大学学長)「日本におけるグローバル人材育成について - APUの言語教育」

[指定討論者]砂岡和子(早稲田大学)
司会古川裕大阪大学

12:00-13:30 昼食(自由


13:30-14:15 講演2キップ・ケイツ(鳥取大学)「グローバル教育から見たグローバル人材育成」
指定討論者]L.ヨッフェ(早稲田大学)
司会]久村 研田園調布学園大学

14:15-15:00 
【講演3デイヴィド・マクファーレン(元ニューブランズウィック州教育省審議会委員カナダ)「神経言語学的アプローチ:カナダにおけるフランス語のインテンシブコースの実践とその結果」
[指定討論者]林田理恵(大阪大学)
[司会清田洋一明星大学

15:00-15:30 休憩

15:30-18:00  【シンポ1「真のグローバル人材育成を目指して」
パネリスト
デイヴィド・マクファーレン
キップ・ケイツ
松岡洋子(岩手大学)
ジャンークロード・マスワナ(東京大学,コンゴ民主主義共和国
指定討論者ダニエル・コスト
[司会酒井志延千葉商科大学

19:00-   懇親会3500円予定・関西日仏会館)


2013 年4月14 日(日)
「グローバルイシュー解決への貢献と複言語教育」

10:00-10:15 問題提起 西山教行京都大学
10:15-11:00 【講演4】ダニエル・モーア(サイモン・ファウザー大学,カナダ)「複言語能力の養成−大学における国際化の争点と挑戦
[指定討論者]平高史也(慶應義塾大学)
[司会境 一三慶應義塾大学

11:00-11:45 【講演5】佐久間勝彦(聖心女子大学)「国際協力活動で育まれる “グローバル人材” ―日本のJICA青年海外協力隊事業を中心に―」
[指定討論者]藤原三枝子(甲南大学)
[司会]平畑奈美滋賀大学

11:45-12:45 昼食(自由)

12:45-13:30 【講演6】ダニエル・コスト(人文科学高等師範学校,フランス)「グローバル社会における言語とコミュニケーション能力の養成−思想と実践
[指定討論者]J.F.グラジアニ(京都大学)
司会長野 督北海道大学

13:30-15:15 【シンポ2】「多文化共生へ向けた言語教育」
パネリスト]
ハン・ヨンテクコンクク大学,韓国
馬渕 仁(大阪女学院大学)
平畑奈美(滋賀大学)
指定討論者]長谷川由起子(九州産業大学)
司会]塚原信行京都大学

15:15-15:45 休憩

15:45-17:30 【シンポ3】「異文化間能力養成のための言語教育」
[パネリスト]
プウ・ジンフォン(中山大学,中国)
細川英雄(早稲田大学)
落合知子(神戸大学)
指定討論者]ダニエル・モーア
司会姫田麻利子大東文化大学


※この国際研究集会は,日本学術振興会科学研究費補助金(課題番号:23242039)「新しい言語教育観に基づいた複数の外国語教育で使用できる共通言語教育枠の総合研究」(代表:西山教行),日本学術振興会科学研究費補助金(課題番号:20401024)「アジア・ヨーロッパにおける移住者と受け入れ住民の共通言語教育研究の構築」(代表:松岡洋子),日本学術振興会科学研究費補助金(課題番号:23531117)「海外経験による若年層のキャリアイメージの変化 -青年海外協力隊日本語教師を対象とする調査から-」(代表:平畑奈美)の研究成果報告として,また日本学術振興会外国人研究者招聘短期,招聘者・西山教行,ならびに京都大学教育研究振興財団の支援を得て実施します。

Ċ
webmaster 塚原信行,
2013/03/19 23:44
Comments